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アフリカでの野鳥撮影

「どうやって野鳥写真を撮っているのですか?」という質問をよく受けます。私はプロの写真家でもなければ、写真や野鳥のマニアでもありません。「せっかくアフリカへ行くのなら」と、普通の人よりはちょっと大目の写真機材を用意し、あとは大好きなサファリにまめに通っただけのことです。

日本では本格的な野鳥写真に挑戦したことはありませんが、野鳥撮影の本などを見てみますと(たとえば「野鳥写真マニュアル」)、かなり大きなレンズを使い、鳥に近づくのに相当気を使い、といったことが伺えます。無論アフリカでも気の小さな鳥、近づくのが難しい鳥はいますが、サファリなどで見かける鳥は概して警戒心も薄く、日本などよりもはるかに近くによって撮影することができると思います。むしろ大きな望遠レンズを用意しても、サファリだと車から降りることができず、揺れ動く車上からの撮影になったりするので、シャッターチャンスも逃しがちになってしまうと思います。

筆者が使っているのはもちろん一眼レフカメラ。そして交換レンズの中で一番よく用いるのは100-300ミリの望遠ズームです。その次が500ミリのレフレックスでしょうか。この程度の手持ちできるレンズが圧倒的に有利だと思います。プロの写真家はサファリカーを自分で一台借り切って、三脚を使って撮影にあたりますが、サファリツアーの参加者は、他のお客さんとの同乗になりますから、車が停まった瞬間に撮影を済ませる必要があるからです。

撮影のときは、サファリの日中などは相当に光量が多く、特に背景に雲などが入ると被写体自体はつぶれてしまいます。その点に注意が必要でしょうか。

フィルムは日中は感度の低い、解像度の高いものでも良いですが、サファリに出かけるのは早朝や夕方であることも多く、また日中も木陰などは相当に暗いですから、複数の感度のフィルムを用意されるのが良いと思います。また一般的にコントラストが非常に強いシーンが多いですから、スライドではなく、プリント用のフィルムで撮影するのも良いかもしれません。

サファリに出かけているときは、ダチョウだとか、カンムリヅルであるとか、大きな鳥以外はガイドが車を止めてくれません。小さな鳥にも興味のある人は、あらかじめガイドに「鳥を見たい」と伝えておくことが大切です。しかし、他の人と一緒のサファリだと、多くの人は小さな鳥を見るよりも速くライオンを探したい、というのが本音でしょう。あまり車をとめていると他の乗客の恨みを買いますから、できるだけ鳥の好きな人たちでサファリカーを借り切る形で出かけるのがよいでしょう。

さすがに現在はほとんどの方がデジカメをお使いでしょうが、スライド・フィルムを使う方は、サファリに出かけるとプリント用のフィルムしか手に入らないことがほとんどですから、あらかじめ日本から持参するか、大都市で十分に調達しておく必要があります。